翅に焦がれる鳥児らは
musi
鳥かごに迷い込んできた蒼い薄翅に、
向こうの空が透けて見え、少女は息を呑んで手を伸ばした
まるで、天鵞絨かオーロラのように煌く翅が、小さく羽ばたいて
鳥の児らの鼓動を早めさせる
加減を知らぬお前のこと、手に納めたら死んでしまう旅人だと脅しておこう、
そうすれば代わりに
少女は翅を真似て裾を揺らし、歓迎のダンスを舞った
やがて色彩窓のようにきっちりと彩られた、その美しき翅が、
憩いを終えて 飛び立つ時、
また空きもせず彼女は 空を望む
そう、僕らはイツだって、美しく飛ぶものに焦がれ、
余韻に 心 奪われる
閉じられた世界の、さよならは、いつだって永遠のように寂しいな