今を成す不本意な思考
見崎 光

封印するも
解くも
操れるほどの孤独
寂しさを嘆いたところで
在りもしない
作れもしない
空想は空想でしかない

生まれゆく不安を片手に
失いし愛情を追いながら
焦りを切り刻む残酷すぎる音源に
確率を傾け差し図る

自我に満ちた眼差しは
制御の保てぬ混迷を招き
抜け出せないほどの痛手を
罪滅ぼしと刻む

封印で我を保ち
解きで我を見失う
吹き荒ぶ風を窓辺に誘い
身勝手さを差し出すも
指先の熱を好むばかりで
冷やされた後のカラを
ほくそ笑み眺めるばかり


泣いて癒やされるものならと
悲観に暮れて泣いてみる
涙さえ流れぬ頬を両手で固め
真実というものを見据えたい
密かな願いを込めてみた


どう転がるかは
もう少し先の賭け
封印するも
解くも
自我の欲望でしかないけれど
背中を温める日和の夢を求めて
壊さなければ見えない明日と謳おう






自由詩 今を成す不本意な思考 Copyright 見崎 光 2008-01-27 21:29:07
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