草花のように
山崎 風雅


 考え事が一人歩きして
 寒空の下 僕は震えている
 
 耳にこだまする罵声
 退いては返す波のような苦痛に戸惑うばかり
 
 僕は弱い
 限りなく弱い
 
 たまらなくて叫べたら まだマシなんだろうけど
 いびつに強くなった理性がそれを許さない

 一人には慣れた
 絶望は友達
 涙も枯れた
 散かった部屋には希望なんて微塵もない

 でも でも でも

 続けるよ
 生き続けるよ
 
 ひとかけらの光りを放つんだ
 微かでもいい
 この穢れた世界の一隅でも照らすんだ
 
 がんばるなんて陳腐なことは言わない
 本当に君を幸せに出来るかも分からない

 健気に咲き誇る草花のように
 荒れ狂う嵐の中でも笑ってやる
 散々な目にあってきたけど まだ笑えるからね

 地獄のような日々で
 僕の姿は醜くなるかもしれない
 それでも君はついてきてくれるだろうか
 この魂の叫びは君に届くだろうか

 もう 朝がきた
 嵐の中に飛び込む腹は決まった

 生きて帰れたら
 抱きしめて そっと キスしてほしい
 何もいらない
 ただ 優しく キスしてほしい




自由詩 草花のように Copyright 山崎 風雅 2008-01-27 06:39:08
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