お兄ちゃんへ
ふぁんバーバー

お兄ちゃんがまた
女の人に振られてしまったよ
かわいそうに
死んでしまいそうに落ち込んでるよ

幼いころから
おっちょこちょいな人だったよ
がまんしてればよいものを
いつもちょっとかためのやきそばUFOになるんだよ
恋もおなじなのに
きっと三分間待てなかったんだろう
それは大人じゃないってことなんだよ

いい年をして
いまだに就職もしていないよ
それどころかいまさら医学部に行きたいなんて
親は泣きそうだよ
だいたい甘やかしすぎだよ
だからあんなに女の人にモテないんだよ

お兄ちゃんと恋人が
喫茶店で話しているのを
たまたま彼氏と見かけたよ
ああなぜか
彼氏にあれが兄だとは言えなかったよ
だって
だって
ストローに歯形をつけていたよ
恥ずかしい人だよ
そりゃ振られるよ
わりとかわいい彼女だったよ

どうゆう理由で振られたのか
知らないけれど
お兄ちゃんはやさしすぎだんだと思うよ
いつもどこからか
犬やら
猫やら
拾ってくる人だったよ
わたしもいっしょに泣いたよ
だってお兄ちゃん
目をごしごしして泣くんだよ

最近はあまり
口もきかないよ
わたしはわたしでいろいろだし
お兄ちゃんは長男なりに大変だろうとは思うよ
でも男らしくなってほしいよ
振られてやせほそるなんてやめてほしいよ


お医者さんなんてならなくていいから
まじめに働いてほしいよ
そんではじめての給料で
またちょっとかための
やきそばUFOでもつくってほしいよ






自由詩 お兄ちゃんへ Copyright ふぁんバーバー 2008-01-24 21:16:52
notebook Home 戻る