器の笑い
アハウ

アイスコーヒーを注ぎいれた グラス
暖かな部屋
午後の陽射しは

読み止しの本の名は
『ルネサンスの占星学』

人が ぱらり ぱらり 行き交う
食器が カチ カチと音を立てて

動  く


「光についての論文『光論』において、フェチーノは
この言葉を反転させ、光の性質に関するヒントを
与えている。フェッチーノは「理性の光は、光の理性である」と
記しているのだ。」


ああ 無為のための読書

永遠に子供であるための血の滲む努力

大きなストロークで水を掴め!
水練のコーチの言葉は屋内プールに響く
洞窟の採光に揺れ輝く水面
青空に浮かぶ白い雲が湛えた水に形を残す
泉に湧き出る 清水 透明な感覚
無機的なプールの水
滴れの音に耳 澄ます

ガッシャーン

ウエイターの手から
食器が笑い転げ 落ち
こなごなに 砕ける


自由詩 器の笑い Copyright アハウ 2008-01-24 16:22:06
notebook Home 戻る