粉雪
Honesty
「お願い、彼と私を引き裂かないで!」
次の瞬間、私は意識を失った
* * *
気が付くと
彼はいつものように、不機嫌そうな顔をして通勤電車に揺られている
その周りを私は粒子となって漂っていた
「これが私の望んだこと?」
誰に気付かれることもなく
彼に想いが伝わることもなく
ただふわふわと
粉雪のように
いつ消えゆくとも分からぬまま
自由詩
粉雪
Copyright
Honesty
2008-01-23 00:05:02