還元される
狩心

どんな個人プレーも
地球というスタッフワークに還元される
全ての細胞が
体を構成しようと 弾け 飛ぶ
機械樹の葉に
冷凍催眠された 十字架の彼方
劣性遺伝子の直方体が
二次元の立方体カラー
3Dの波に
マイクロフォンメガホン受け取った
あせるあせるあせる 盛り上がる
皮膚の山
別荘に立て掛けた案山子のバンソウコウ
復縁された線香の立ち昇る湯気 海の底
誰かが
自主的に行動した時に
そういう人間だったんです
剣先に一つの涙 血が混じり
とぐろを巻いた蛇が 肩から肩へ
虹のイフリートを描く 恐怖の渦
明け方
致命傷を辛うじて回避した男が
喫茶店の隅っこで盛り上がるもう一人の自分に
平行投影を投射した

社会がこんなにも嫌いだったのに
社会的な事ばかり考えてしまう
政治の肉が
犬に配布された時に 警官のピストル
運動会のスタートラインに聞こえた
親子の完成
強制的に結び付けられたものが 狭められたアスファルトを
心臓手術の切開のように 切り開いていく
行くのか! この マグマの純真
隔てられたピクニックに 山彦の相槌
泥棒が雪を食べて その中に コガネムシの幼虫
いたいけな少女が ダンスを踊りながら狂った
大丈夫 今から弾け飛ぶ
気合を十分に貯めた状態で
スライドしていく 相手の懐に向かって
思い出のアルバムを上映していく
ぼくたち こんなにも色々な事をしてきたんだね ここに
苦痛だった事が 全て安らぎに還元されていく
おお 今でも忘れない 喫茶店のマスターが 一曲歌ってくれた事を
おお 一つ一つの描写が ぼくの皮膚 解放した

上下左右
何も空気に満たない 硝子の壁よ
表情のアイススケートを かわしてくれないか
天秤座のオリオンが 彦星に説教を始める
女郎蜘蛛が水辺で 毛糸のマフラーを縫い上げる
絶体絶命のピンチに 星屑が落ちる
咲き乱れた機械樹の葉は 太刀仕事に終止符を打った
ガスの元栓は締めたか
口の周りにチョコレートは付いてないか
工場のバッジは いつも一番のトップ賞
お母さん! 何にも耐え難い響き
ツベルクリン反応に ぼくの点滴は何度も喘いだ
振り返る事はしてはいけないのよ
神のナイフが女郎蜘蛛を刺した

休日は夢の中で過ごそう
第三段落は第四段落の高低差に過ぎなかった
ミジンコを顕微鏡で覗く気分だ
分析されていく感情が 事も無く静かに
除夜の鐘に耳を澄ます ほーほけきょ
うぐいすの声が宗教に聞こえた時に
全身の産毛を ジッポライターで掻き消そう
伸びる肌 掴むもの
閉じられた水滴の空気 呼吸
その先に魔界のトンネル
S字型にカーブした道が
何度も繰り返される昨日を予言した

直腸を助長する
バンビの怯え
細い足がキューブ状に変革する
鰹節を削るように背伸びする 瞬いた
脱線事故解体処理 99%の牢獄
カギ括弧を空中で回転させる
努力 目の下にクマ
セパレートの前髪に
肝試し大会 お化けが
ぼくの枕下で優しく
マイクロソフトWordを 体中に貼り付けた

助長していくのは晴れの中に浮かぶ足
レッサーパンダのような白黒のめがね
噛り付いた前髪が 鼠の前歯のように鋭利に
伸びて伸びて伸びまくる
地球儀は回転する事を止めない 脳内計算機
十六進法で股関節を外したり付けたりした
前後左右に瞬く前髪 鋭いくちばしのように
固まって固まって固まりまくる
回転したドリルが
地面に突き刺さったまま帰ってこない
両手両足はばたつく
コントがしたい
誰かが笑ってくれるような誠実な責任を
作品の中に込めて 世に浮かべるように
舟の中には米が一杯
注意事項を沢山積んでいるのさ
大丈夫 もうすぐ弾け飛ぶ
天から降りるフットワークに
誰も追い付けない
打たれ過ぎたボクサーに
禁断症状をプレゼントしたい
君に会いたい ただ
それだけなんだ


自由詩 還元される Copyright 狩心 2008-01-22 22:03:41
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