メランコリックガール
山中 烏流
、広がる、の。
(メランコリックガール)
不確かなのだ、と
爪先はなぞる
拡散するテレビだとか
縮小を重ねるパルスに
耳を澄ましたままで
一語。
(例えばそれは、パジャマだったりするのだろうな/知らないけれど/ほら。)
週末なのだろう
いつしか羽を知り、
そして
空に奪われる日は
私の揺らめきに
音もなく触れたあと
そこから
私が、産まれる
日は
(メランコリックガール)
スカートの中身と
アリスの竪穴は
きっと同じなのだろう、
多分
/首筋を留めたあと
そのまま
流して欲しい/
私、今
子供している。
響いて、しまえ
私の爪痕から、
さざめきが溢れている
そのとき
私、今
子供している。