『感』だけが
石畑由紀子

抱く、抱けない、花占いの吐瀉物をすくいあげ我の濁流を知る


注がれることは満たされることとは別の話だとわかっていました


不純物が混じっていたのか培養液 自滅という名の細胞分裂





ねえ、君もいつか私を傷つける? 外ではやさしい雪が降ってる





、欲しいんだ 真夜中に胸のベルで覚め気づいた 耳が濡れて冷たい


世界など大したことじゃない 君を好きになった怖さに比べれば





真っ青な空に愛しき名を報す 君に出逢えてとてもさみしい


苦しいのも抱きしめるのも笑うのも私のほんとう ここで手を振る


待ち合わせ時刻は決めぬままでいい ねえ、私たち一緒に行こう


暗闇で荒れ打つ君の濁流を想う すべては『感』だけが頼り







短歌 『感』だけが Copyright 石畑由紀子 2008-01-21 02:14:47
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