『感』だけが
石畑由紀子
抱く、抱けない、花占いの吐瀉物をすくいあげ我の濁流を知る
注がれることは満たされることとは別の話だとわかっていました
不純物が混じっていたのか培養液 自滅という名の細胞分裂
ねえ、君もいつか私を傷つける? 外ではやさしい雪が降ってる
、欲しいんだ 真夜中に胸のベルで覚め気づいた 耳が濡れて冷たい
世界など大したことじゃない 君を好きになった怖さに比べれば
真っ青な空に愛しき名を報す 君に出逢えてとてもさみしい
苦しいのも抱きしめるのも笑うのも私のほんとう ここで手を振る
待ち合わせ時刻は決めぬままでいい ねえ、私たち一緒に行こう
暗闇で荒れ打つ君の濁流を想う すべては『感』だけが頼り