死者の生まれ
umineko

今日
他界した父の
初めての
誕生日がやってきた

昭和
何年だったか
いつまでたっても
覚えないまま

もう
数えることはない
死者の生まれ日

ある年は土曜日で
ある年は木曜だった
窓の外
季節のように

必ずそこに流れていくもの

今年は
カレンダーを飾らない
だから
私は確認しない

あなたのはじまりと
あなたのさよならが
意味を持たずに漂っている

あなたは死んでしまったし
私はまだ生きている

それらの違いは
大きくはない

楽しいこと

心のそこから笑いあうほど
楽しいことが
あとどれくらい

私に
降ってくれるだろう

みぞれまじり
窓をたたいた

救急車両が
遠く流れた

あとどれくらい
生きるのだろう

私は
死んでいるのだろう


 


自由詩 死者の生まれ Copyright umineko 2008-01-20 19:27:14
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