死者の生まれ
umineko
今日
他界した父の
初めての
誕生日がやってきた
昭和
何年だったか
いつまでたっても
覚えないまま
もう
数えることはない
死者の生まれ日
ある年は土曜日で
ある年は木曜だった
窓の外
季節のように
必ずそこに流れていくもの
今年は
カレンダーを飾らない
だから
私は確認しない
あなたのはじまりと
あなたのさよならが
意味を持たずに漂っている
あなたは死んでしまったし
私はまだ生きている
それらの違いは
大きくはない
楽しいこと
心のそこから笑いあうほど
楽しいことが
あとどれくらい
私に
降ってくれるだろう
みぞれまじり
窓をたたいた
救急車両が
遠く流れた
あとどれくらい
生きるのだろう
私は
死んでいるのだろう