飴玉が降るのは君のおかげ
木屋 亞万

水色の空を
たこ焼き機で焼く
君は大阪人
光沢の揺れる液体を
凹む鉄板に注ぐ

一口サイズの雲を入れ
紅い雨もアクセントに
お次は雪玉ぱらぱらと
燃える太陽の熱に
香ばしい湯気が立つ

君の小指の鋭さで
あめ玉をくるくるする
玉は固そうに回る
完成が近いのだ

できた玉を皿に盛り
君はその一つを
優しくつかみ取る
驚くほど白い手だ

喜びをぶつけるように
地面に玉を投げ付ける
君は笑っている
次から次へと
種を蒔くように

地上ではあめが降る
男の子が口を開け
実においしそうに
あめを飲んでいる


自由詩 飴玉が降るのは君のおかげ Copyright 木屋 亞万 2008-01-20 17:02:50
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象徴は雨