外は月夜で
佐々宝砂
たとえば外が見渡す限りの草原で
はるか遠い地平線のうえ
まろやかな月が重たげに光っているなら
外は月夜で
という古い唄をうたってもいいとおもう
あるいは外が見渡す限りの大海原で
薄暗いカーゴからゆらゆらする甲板に出て
どうしようもなく明るい月を見上げるなら
外は月夜で
とうたってみてもいいんじゃないかとおもう
外は月夜で
外は月夜で
ちらちらする白い画面を見つめながら
窓の外の月を想像する
今夜は確かに満月で
外は月夜で
だけどうたえない
ここではうたえない
外は月夜で
自由詩
外は月夜で
Copyright
佐々宝砂
2008-01-20 02:39:44