みずたまの気持ち
かのこ

こころにとまった鍵盤が
偶然、泣きたい気持ち

降ればいいのに
アスファルトの上
からころ転がって
軽快な音跳ねる

割れそうな色だ
いつもどうしようもなく
触れたくなる透明だ
けれど手を伸ばせば消える
絶望的に
割れそうな

逆立った目をして
けたけたと声をあげ、笑うなら
いっそ裏切りをやめないで
飽きず揺らされていたい
からころ、不安定なリズム
思わず泣き叫んでしまいそうな、シャープ

この指にとまった雨粒は
偶然、泣きたい気持ち


自由詩 みずたまの気持ち Copyright かのこ 2008-01-20 02:08:14
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