夕焼けが足りない 7
AB(なかほど)



僕が鶴の森に行くのは
落ち葉やコインはもちろん
少し大きな石をひっくり返してでも
そこに隠れている
夕焼けを
あの日の夕焼けを見たい
からで
森に行けないときは
こうして目を閉じている
できれば
君の息が聞こえるくらい
静かな場所で
静かな気持ちで
目を閉じている


終わる音




僕が鶴の森に行くのはおそらく
そんな理由で
どうぞ撫でていて下さい
子供のように、母のように、恋人のように、
猫のように、
君にも
あの日の夕焼けが滲むまで



  


自由詩 夕焼けが足りない 7 Copyright AB(なかほど) 2008-01-19 12:05:40
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夕焼けが足りない