海月

本当の涙の意味を教えて
嬉しいときに泣くのが本当の涙?
悲しいときに泣くのが本当の涙?

僕は無限の言葉を捜しても
何も言えずに微笑んだ
真面目に答えてなんて
意地悪なことを言う

半分に割れた心を繋ぐ僕ら
惹かれ合う場所を求めて彷徨う

夕暮れに子供達の声も静かに消えていく
住宅街からはそれぞれの匂いが香る

僕は君の手を握り一気に坂を駆け上がる
夕焼けの時にしか見えない一瞬の風景
多分、明日には忘れてしまいそうなもの

ねぇ、僕らの街が闇に沈んでいくよ
ほら、学校も公園もみんなみんな

また、明日と繋いだ約束
なぜか今日は不安な気持ちが溢れた
明日が来ない気がした

さよなら
最後の言葉はあまりにも普通だった
それが僕ららしいのかも知れない

あれから五年とちょっと
なぜか僕はその場所から夕焼けを見ると涙が溢れる
単純に眩しいだけなのかもしれない



自由詩Copyright 海月 2008-01-18 23:47:45
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