冬の太陽とS嬢
ヨルノテガム







SM嬢が眼鏡をかける 眼鏡を外す
冬の太陽が目を差す 目をそむける

まどろむ午後の 寒冷なムチ音の
走り騒ぐ子供たちの奇声と昨日のムチ音と

暖房を弱から強へと黒いハイヒールの指図と
磨き上げられた奴隷心と褒美と

曇り隠れる冬の太陽と 君臨への気配の
さざ波と迷い子の鳥と無人のプラットホームの

待ちわびるのは足音の 壊れた悪魔の化身となり
生命力に溢れた 死に神のような女の

おもちゃみたいな
おまえのような

おもちゃみたいな
あなたのような


緊張と
(雪は降るかしら)

従属と
(積もると聞いてます)

遠くない未来
(可哀相に これから風邪をひくことになるねぇ、おまえ)


季節と共に
愛し合う背中













自由詩 冬の太陽とS嬢 Copyright ヨルノテガム 2008-01-18 23:10:04
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