半月
かや
半月がころがった
夜の
帳
(
とばり
)
に
埋れたふたり
冬の星座は
オリオンしか知らない
道すがら探して
明日は晴れるね、
大体毎日言う
大体毎日
同じ相槌を聞く
手袋が欲しいと言いながら
結局買わない
必要なものは
たぶん今手にしている
何もいらなければ いい
白い
庇
(
ひさし
)
の間から
狭い空が見られればいい
冷えた指のまま
甘える体をなあなあで
我が侭に
顔を背けて眠っても
最後まで
最後まで
失敗はなかったことにしよう
半月がころがった
指差してふたり
笑った
自由詩
半月
Copyright
かや
2008-01-18 01:59:13
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