口づけ
よしおかさくら

踏みつけにしていた
室内履きの踵を直すあいだは
口づけを考えていた
唇で触れると
少しずつ嘘が増えることを
あなたは知らない

優しく唇を塞がれるその前に
目を 閉じさせられる
目を 閉じる
心を 開けないまま
唇を 開く


自由詩 口づけ Copyright よしおかさくら 2008-01-17 13:09:05
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