呼吸器系の季節
A道化





雨上がりの
仄白い、広い、ひとつの湿度が
冬の夜の終わりに、ふ、と
灯る


夜明けだ
空はひとつの肺となり
冷たく湿った冬の朝を呼吸する
細やかな鳥の霧を含んで
音を立てて煌く


おはよう、
おはよう、


わたしもあなたも
その呼吸へ、生まれ、目覚めてゆく
離れていてもわたしたちは
含まれている


ねえあなた、生まれて、目覚めて、
シーツにくるまれたまま少しだけ想ってね
呼吸の度に煌いて
ほら、
くっきりとしてゆく肺の在りかを


2008.1.17.


自由詩 呼吸器系の季節 Copyright A道化 2008-01-17 08:37:06
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