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ましろ
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三十回目のバースデーの朝
女は眠りの靄のなかつぶやいた
目をあけカーテンを開ける
飛び込んでくる朝陽
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携帯が光っている
Eーmailあり
午後3時の遊歩道
一本だけの紅葉
落ち葉の上をカサコソと歩く
ほおづきをみつけて こっそりぼんぼりをもぐ
破いた袋から
茶色く萎びた臍の尾のようななにか
黒々と光る土を見渡す
冬の始まり
遙か昔
母の羊水に
まるくなって浮かんでいた
まあるい宇宙に身をゆだね
耳をそばだてて
いつの頃からか
拒絶してきた
ひとつの丸い輪というもの
母の愛も 父の愛も 友情はまして!
あっちこっち飛び跳ね 凹み突き出
弾丸のように駆けて
止まった
全てを捨て全てを失った あの日
訪れてきた かけがえのないものたち
帰ってきた 愛しすぎるものたち
地球
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部屋の隅で ひとり
届いたバースデープレゼント 電話のベルが鳴っている
膝を抱えまあるく一つになって
三十路女は満月を仰ぐ