溺れる棘
AKiHiCo

僕を裏切った人達が居る
確かに僕は路を間違える事もある
そんな時は手を強く引いて
ほしかった

声をかけても無反応
他人よりも遠い存在で
もう僕は独りであると
わかった

脚に絡みつく荊の蔦
前へも後ろへも
行くなと言うならば
僕はここに居るよ

思い出と憎しみ
それらに支配されながら
罅の入った器で
時を刻むよ
脚を必死で庇う
とても愚かで悲しい

締め付ける 蔦
棘 食い込み 流血
過去の幸福 捕らわれた まま
妄想 虚像 幻覚 幻聴
あの言葉 日々 時間 笑顔
嘘 だとしても、

それでも、信じ続ける僕は哀れ

溺れて 記憶 何処かへ
注ぎすぎには 注意
溢れた水 戻らないからね






自由詩 溺れる棘 Copyright AKiHiCo 2008-01-15 03:29:36
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