「floor」
菊尾

未遂なら終われない
揺るがない覆されないなら
きっかけを過失にして
なし崩し的に削ぎ落とすから

君が楽しむそれは
想像造形の箱庭
若葉で埋めた奥底の小さな鍵穴
その先にある場所に隠れて
一人で世界を創造している

六角形の部屋で
三日月が僕を床に刷り込まれた
背が傾く窓枠の影と一緒に倒れこむ
板張りの床
椅子が倒れずに二度三度揺れていた

言う事は聞いているから
あまり気に病まなくていい
何もしなくていいから
見届けてくれ

突き抜ける雨
浸み込んで裏側に降り注ぐ
流転して行く胸中
嫌になるのは
比較対象が優れているからだろう


君は近くに居たらいい
いつでも忘れられるのだから
そうなるまでは
近くに居たらいい


自由詩 「floor」 Copyright 菊尾 2008-01-13 04:31:57
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