きみとぼくのおわりつづける物語。
哀詩

 



知らないきみは嘆いた。
海のあおさと空のあおさははなから別物ときめていた。
そんな中ぼくはゆらめきをみつけた。
きみは蜃気楼のなか、たっていた。

ふたりにはじまる物語はなく、
お互いは空気のままで そう、
ただそこにある元素を理解していただけ
まだ意識などしていないだけ、
ぼくらは ぼくら とくくられた。

まのあたりにしてしまうとなぜか
きみは酷くぶれていたから
そっと無意識に手をのばせば
反してぼくの手がきみをこわせば
理解していた元素もきえただけ
あわい意識は中てられただけ


曲解されたことばは事実となって
一度曲げたはりがねが直線にもどらないような思い出のなか、
きみはどんどんきれいになっていくの。


ゆらめきを覚えた夏はどこかとおく
もういちどの寄り道はわかりきったこと
ただでこさえたきみではないけれど
ぼくはここではひとりではないけれど

きっとおわりまで一緒にはならない
はじまっていないのならまだしも
どうにかはじまっていたらしいぼくらは
もうどうあがこうが
おわりつづけるだけ。


おわりつづけるゆらめきのなか
手をのばさないぼくのなか
きみはどんどんきれいになっていくの。



きみはどんどんきれいになっていくの。


 


自由詩 きみとぼくのおわりつづける物語。 Copyright 哀詩 2008-01-12 06:08:38
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