きみとぼくのおわりつづける物語。
哀詩
知らないきみは嘆いた。
海のあおさと空のあおさははなから別物ときめていた。
そんな中ぼくはゆらめきをみつけた。
きみは蜃気楼のなか、たっていた。
ふたりにはじまる物語はなく、
お互いは空気のままで そう、
ただそこにある元素を理解していただけ
まだ意識などしていないだけ、
ぼくらは ぼくら とくくられた。
まのあたりにしてしまうとなぜか
きみは酷くぶれていたから
そっと無意識に手をのばせば
反してぼくの手がきみをこわせば
理解していた元素もきえただけ
あわい意識は中てられただけ
曲解されたことばは事実となって
一度曲げたはりがねが直線にもどらないような思い出のなか、
きみはどんどんきれいになっていくの。
ゆらめきを覚えた夏はどこかとおく
もういちどの寄り道はわかりきったこと
ただでこさえたきみではないけれど
ぼくはここではひとりではないけれど
きっとおわりまで一緒にはならない
はじまっていないのならまだしも
どうにかはじまっていたらしいぼくらは
もうどうあがこうが
おわりつづけるだけ。
おわりつづけるゆらめきのなか
手をのばさないぼくのなか
きみはどんどんきれいになっていくの。
きみはどんどんきれいになっていくの。