哀愁の雨傘
山崎 風雅

 雨が降っている
 今は夜中
 過ぎ去る日々は音もなく


 ないものねだりの心に雨音
 一人の夜
 決して寂しくもないけれど
 それもどうしたものなのか
 ただ、日常に麻痺しているだけ

 人は生まれてきて
 生きて
 死んでいく

 それだけのこと

 だが、愛しい我が人生よ
 ここまで来るのにこれだけ苦労するのならば
 この先もやはり闇は続くのか
 それでも、やっぱり生きることを諦めないだろう
 何度も渡った橋

 夜更けに一人、静かな通りに出てみる
 哀愁の傘をさして

 誰もいない
 そんなものさ
 少し寒さが身にしみる
 熱い心をちょっと思い出す



自由詩 哀愁の雨傘 Copyright 山崎 風雅 2008-01-12 01:39:56
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