むにやむにや
昧
近頃の夜は白つぽく濁つてゐる
電車の高架上から外を見ると
それは寧ろ何時にも増して黒黒と深いやうで
やつぱり一枚の平面なのであるが
そこには一つのまたのつぺりとした
只赤い太陽の笑いがはりついてゐる
車道の白線からは白い猫が浮かび出て
まう往つてしまつた
T字路で三毛猫が擦り寄つてきたので
私はぼんやりと膨れた頭で にゃおー、と鳴いた
肉の付き過ぎたこれと
膨張したうろとではどちらが重いのだらう?
自由詩
むにやむにや
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昧
2008-01-10 23:04:10
縦