刻印
木葉 揺

ワインで誰かを呼びながら
逃げ出そうする神経
全ての縄をほどいてきたのに
血管がかたまってしまった

ただピアノの弾く光を
追いかけることで
時間に恥じなくてすんだ

少しも珍しくない空間を
突き破るように外へ出ると
さらに珍しくない空間が
鼻で笑っていた


自由詩 刻印 Copyright 木葉 揺 2008-01-10 16:04:18
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