「いつか」
菊尾
いっその事
責めてくれれば楽だったのに
きっとここは器の中
さほど大きくない器の中に私は居て
蓋が閉じられた状態を夜と呼んでいるだけ
暗闇の中でも動けるのは知覚が生きているから
怖くないのは
ここに誰も居ないことを知っているから
月の初めに丸で囲んで
それが何ヶ月も続いていて
捲る作業は生活の一部になっていて
毎月訪れる定期的ないつか
訪れることが分かっていれば
心待ちにできるのに
そんなある日
目薬を点しました
ふざけて輪ゴムを目一杯飛ばしました
予測変換で物思いにふけました
太陽も満月も白くて違いは眩しさだけでした
チョコレートの甘さに酔いました
世界はあの日を境に速度を緩めました
けれどなんとなく
私は君を受理できた事を感じました
平坦な日々は愛しくて
どこか儚さを漂わせていた君の隣では
確かに夢見がよかった事を
私は今も憶えていて
それは確固たる誇りです
気が触れそうになる現実の中で
傷つきながら掴んだ幾つかは
その身体の中で息を止める事は無く
ただ慣れて見失う
それだけに気をつけて
今までに感謝の言葉を
そして
お休みなさい
違う形でまた
いつか