たま
もこもこわたあめ

小さな書道家の
書道家のような事をしたい演劇好きのジェームスは背格好には大き目の
和室には不釣合いな本皮製ブラックの「作業着」に着られて立っている

閉じられた目の奥ではどんな風景が流れているのだろう
ミュージカルか 否 故郷ハリウッドのS.スピルバーグ映画か
その脇にはこれまたジェームスとは不釣合いな一匹の地味なぶち猫タマ

少し 否 かなりズレタ書道家(好きの?)ジェームス

しかし(とことことことこ)
小さな書道家ジェームスの立ち姿はそれなりに様になっていて
独特の緊張感をまとってそこに存在している

突如開かれた目には一点を見据えるまなざし
そのまなざしはどんなものも貫くほど鋭いのか 否 包み込むほど優しいのか
まなざしの先には墨に汚れた足で書道紙の上に腰掛ける満足そうなぶち猫

少し 否 かなり面白い(笑えない?)ジェームスと猫の画

刹那(さっさーっざーっざっざっ)
微笑を浮かべた書道家の手はまるで筆先といったいになったように
書道紙の上を走り 否 滑り回転し跳ね着地した

達筆 否 かなり字自体が崩れているが二人の合作

満足顔のジェームスと面食らった感じのぶち猫


「球」(たま?タマ?)


ぶち猫は自分の肉球の一点を
まじまじと見つめていた


自由詩 たま Copyright もこもこわたあめ 2008-01-08 21:39:11
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