雪
乱太郎
さらさらと
お前は何しに来た
こんこんと
お前は何を話しにきた
しんしんと
お前は何を聴きにきた
さらさらと
また人々の掌に舞い降りてきた
*
星になれなかった
いたいたげな粉雪が
わたしの頭上に落ちてくる
悲しい冷たさが
手のひらによりかかり
*
静かな日でした
どこも真っ白で
どこまでも真っ白で
どうして
白は
言葉を隠してしまうのだろう
*
瞳をこする白い結晶
明日の空から降り注ぎ
さびしい記憶を埋めていく
三月には
幻となり
また
忘れかけた頃に
新しい落着きを探しにやってくる