ガスコンロの衝突
狩心
ガスコンロに炎は無く
終終とガス臭い 窓が全て閉じられた部屋 充満する
奇形人間の部品 宅配されてきた これから宅配する
ガムテープで切って貼って ダンボールに詰める 「切って!」の山 過去への贈り物
音が壁に張り付いて 黄土色に変色し それに撃鉄 引き抜いた銃口
分解されていくモデルガンに ガスコンロの謎 カチャカチャと音を立てて
壊れましたと宣言 無言で 床に落ちたマッチ棒を一本拾い
そこに書かれたニコニコマークで苦笑し 木の柱 鉄の門 クリスタルの球体に滑らせる
シュボッと点いた小さな命 風が吹けば消えてしまう
両手で囲みながら大事に 身体の内側を通してからゆっくり
固い木の棒に巻きつけられた 包帯のような布切れに点火する
おお 時間が燃えていく 手に近付くように
ああ 朝を焼いた松明が 昼を見せるのかッ!
それを透かした向こう側に 撃鉄の夜
時間から流れる吐息が
薬の投与を断ち切った
それがなければ生きていけないはずだった 高らかに叫んだ (子供達の残像が)
向こう側の夜 山の中でくぐもって反響し 森林を枯らす
見る見るうちに剥げていく山肌 地滑りを起こして 楽しそうに落下する小石達 (一人一人が音階)
祭りだと 皆で手取り足取り 要らない部品は全て捨てていく
丸まった眼球一つ 神経が珊瑚礁のように広がって 地面を串刺しにする 病が
養分を吸い取って どくどくとした球体 血管の中を通り 眼球で爆発 何度も
木々は再生する 血と太陽の下で
一人の僧侶 杖を腹に突き刺しながら お経を唱える
右足は山を登りながら 左足は川を下って 地面を軽く叩いては 耳を澄ます
地球の裏側にいる妊婦 暗い山小屋の中で一人 許されない時を 過ごそうとしている
誰にも 助けてもらいたくなかった 誰にも 見えない体を一つ 揺り籠で揺らして
真っ逆様に落ちる 揺り籠の天使 地球の中心マントルを通過し 裏側の川へ
水中に潜む魚達が 抵抗できない天使を包み込み 優しく苦しい 岩の裏側へ
平べったく伸び切った緑 苔の匂い 鮮やかなアイスクリームが 一重瞼に付着する
もう これ以上反射する事はできない 天秤の秤
吊り合う事なきよう 回転して その錘 水平方向に飛ばせ
明滅するリンパ腺
殆ど前が見えなくなった交差点 霧雨の中 縦横無尽に駆け抜ける濃霧
絶望 その裏側に犇く 毛むくじゃらのお化け しゃらしゃらと 赤い実を落として
金色の射程 五次元 山彦が川の中でくぐもった珊瑚礁
時間から流れる吐息が 真空のシャボン玉 その中に人魚 増殖する
針を突き刺して山肌 破裂する地滑り シャボン玉の中で呼吸
妊娠した人魚[が]真っ逆様に羽ばたく
青い鱗を一枚ずつ剥[が]し 水平方向に飛ばす
その時の摩擦熱 水面の表面張力 浮力
すべて掻き毟って 乱れ狂う緑の
祭りが未来に充血する
パンナコッタを届けて
カスタードプリンは腹の中へ
あなたの中に卵はあるか 割れた卵 その中から黒い液体 焼かれた肉体と 朝の匂い
焼き鳥は 要りませんか〜
必要以上に作ったものは すべて 直火焼き 炭火焼チキン 子供達の中へ
太った子供が駅のホームを走る走る
洗濯物を干しながら 酸素ボンベを着用
缶ジュースを目線のビームで購入し 体中に浴びながら カメラのフラッシュ
両手を広げて水着姿で ホームから水中へダイブ
バタフライをしながら 180度の熱で揚げられていく蝶々の舞
体は180度捻じ曲がり 完全に顔は阿修羅
三つの顔を持ち それは朝と昼と夜 それぞれのボルトを締め付けて感電死 その時の音速
右のラインが左のラインに合流した時
泳ぎは完成する オリンピックへ向けて
洗濯バサミに興奮しながら! それで何をする! あれも出来るこれも出来る!
布団たたきに興奮しながら! それで何をする! あれも出来るこれも出来る!
電気 流れ来る 電気 電気コードを抜いて すべてOFFにしてみよう すべて 見る為に すべる ここからずっと ガスコンロの奥へ
トンネルの中で警笛二つ、列車と列車がぶつかる未来 かならず、朝が来て昼、
そして、夜が来る、炎 ・・・ その中に村が あるんだね。 人々が燃えていく家の中で、透明なガラス張りの壁 皮膚に付着し溶けていく希望 いつからか、家の中で内臓を引き摺ったジャッカル徘徊しなくなった、いつからか、ヒキガエルの輪唱も聞こえなくなった、いつからか、蝉の声が冬でも鳴り響くようになった、いつからか、シンナーを吸う熊が冬眠しながらゆっくりとセメダインになっていく!ゴキブリホイホイの中にハチミツ、メルヘンチックなお姫様に化けたゴキブリがスキップしながら、乱乱乱、二階から飛び降りた、
ぜつ、 ふぅ。 りき: そん。 めい! てい。 あす; じぇっと・ じとぉ!
皮膚の内側に潜むゴキブリさんへ
もうそろそろゴソゴソと動き回るのは止めて下さい
ママもパパも恐がってます。きっと。
顔面は蒼白でミイラみたいで、スフィンクスを食べたクレオパトラを呪ってます。きっと。
ずっともっと。ちいさな「つ」が必要なんです、ずっと、もっと、耳に掛けられる吐息が
ずっと、。もっと、。()))
眠りに落ちていく 天から頂いた 体への命令
時計を避けて 溶けよう 時計!よう!
セメンダイン 誰かの背中、
に、張り付いたコンロ
二匹の犬よ、メスメス。オスオス。おっす。
焼いてしまえぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ← マッチ棒
または、棒人間が逆様
おっす。