風になる
AKiHiCo
もう何も要らないよ
全て捨ててきた
風が身体を包むだけ
垂直に
定規で線を引いたみたく
落ちて落ちて落ちて
今、一番輝いているよ
背中に羽なんかないよ
僕は天使じゃないからね
アスファルトの上を這う
手足は汚れ心は枯れて
此処は知らない場所
知らないビルディングの屋上
其処に僕は靴を脱いで
書きかけの誰かに宛てた手紙を
そっと置いた
誰に渡すつもりだったんだっけ、
もうすぐ生まれ変われる
裏切られた憎しみも悲しみも
消し去ってしまおう
この心早く砕けてしまえ
身体と共に
願うは僕という存在を消す事
それが叶おうとしているのに
どうして涙が溢れてくるのだろう
未練なんてない筈、ない筈
散らばった赤で
砕けた赤で
誰かに僕の悲しみが伝わる
訳がないけれど
これでよかったんだ
もう傷付く事はないから
感じない感じないよ