はじめての呼吸で
ゆるこ

 
 
白紙に滲んだ黒い赤
むくむくと大きくなって
たくさんの物語を生んでくものを
とくり、とくりと創ってく
 
神秘の朝は窓を黄金に染め
鳴いたはずの軋んだ世界を
やさしく やさしく
抱きしめる
 
 
ほら、
黄昏色の鼓動がまた
謎々の穴を
かいくぐって
 
 
 
同じ肌色を求めるように
赤は黄色に触れたがる
窪んだ瞳によった皺を
小さな瞳は捕えてはなさない
 
 
このよの すべてが
ましろに なるの。
 
このよの すべてが
きれいに なるの。
 
 
 
五臓六腑を駆け巡る
酸素と云う奇跡は
わたしのいのちつきるまで
世界の名前を教えてくれる
 
回転する洗濯機のような
暖かい/冷たい未知にまた、
指先をかする血液が
僅かな悲しみを降らした、あさ


自由詩 はじめての呼吸で Copyright ゆるこ 2008-01-05 20:44:47
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