ジェシカ
黒子 恭

ジェシカ、
42口径の
悲しみを胸に
押し当てて
お前にいつか
言いたかった事が、
言いたかった事が、
あるんだ。
 
ビルの向こうから
何気ない日々とか
ありきたりだとか
朝や昼や
夜だとか、
やってくるけど
さしあたって毎日は、
ループじゃなくワープの入口だったんだ
 
ジェシカ、
こめかみに力が入るまま
握りしめた
悲しみは
何処に 何処に。
 
 
夢を見てよ、
出来るだけ優しいやつ
ベロアみたいな肌触りした、
出来るだけ優しいやつ
 
ジェシカ、
抱き締めていいか?
なんだか雨が上がる前の
匂いがしたんだ。
 
ジェシカ、
生きていていいか?
こんな感じの俺も
そんな感じのお前も
泣くときは裸だ。
 
 
ねえ、ジェシカ
ねえ、外見てよ。
 
ようやく、
雨が上がるよ。
 
悲しみを蹴り飛ばすような、光があるよ。
 
 


自由詩 ジェシカ Copyright 黒子 恭 2008-01-05 03:20:00
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