願い
hope

 
 
 
震える夜の終わり。
凍えるガラスに浮かぶ水滴を、指先でなぞった跡。
(それは秘密)
静寂が止まったまま、もうすぐ夜の終わり。
灯った【願い】は、どんなにちっぽけでも、こんな夜を終わらせてくれるの。
(やさしいのね)
月灯りと、
うしろで寝息をたてるあなたの、こだまする繰り返しと、
握りしめた【願い】。が、
この夜の終わりに。そっと。うん、

(やさしいのね)

冷え切った体温が少しだけ潤って、少しだけ感傷が乾いた。
握り締めた手のひらの、あやふやで脆くもある【願い】が、

(とってもうれしいの)

あなたの隣に潜り込んで、
あたしは【震える夜の終わり】を待つことにしました。
目覚めたときに、ちゃんと言えますように。

(おはよう)

って、笑顔で。





自由詩 願い Copyright hope 2008-01-05 01:57:45
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