「二度目の雪」
Rin K



悲しまないでください
たとえ私がひととき
希望を見失ったとしても
それは今年初めて触れた雪が
てのひらで消えるまで
きっとそれほどのときですから


私の瞳に映せる空は
決して広くはない
高層ビルの屋上
街路樹の指先、信号の点滅
見慣れたはずの風景にに
たとえば光が差し込めば
そこは見覚えのない
モノクロの街角
でもそれは
私しか知らない世界
私はそんな
特別を持っている

だから

あやまらないでください
私はこの生命に感謝しています
私には私だけの世界が見えて
私には私だけに優しい人がいる
時々怖くなったりして
時々信じられなくなったりして
そんなことを繰り返しながら
私は私を愛しています

安心してください
一本道ならひとりで歩けます
もし分岐路にさしかかっても
標となる手を知っている
それはまるで、あなたのように

けれど

見守ってください
ずっと私の
母でいてください



  今夜二度目の
  雪が降りました






自由詩 「二度目の雪」 Copyright Rin K 2008-01-04 23:05:55
notebook Home 戻る  過去 未来