痛みと引き換えに得るもの
mac
体のどこにも傷が無いのに
キミはいつも痛がっている
早い夕暮れにもココロが痛いとキミは泣く
ふたりでいても寂しいとどこかが痛くてキミは泣く
確かにね
氷の濁りの様に白く白く
いつも何かがキミを刺し続けているけど
血なんて出ないから
キミの痛みは誰も気付かない
少し疲れたね
痩せた毛布に包まりながら
僕らを乗せた船は
決して安らぐ港に辿り着かずに
彷徨うばかりだけど
太陽の光すら
キミは恐れて
どこにも居場所を見つけられないから
少し忘れることで気を紛らせよう
そうすれば少しだけキミの笑顔が見れるんだ
多分楽園でさえキミは傷ついてしまう
柔らかな綿毛もキミを貫く刃物になる
僕の腕がキミを包んでも
それはきっとキミを傷つける
それでもかまわないと
僕がキミを抱き締めれば
世界が変わるだろうか
それともキミを失うのだろうか
しばらく昔話をしよう
禁じられているけれど
そうすれば少しだけキミの笑顔が見れるんだ
失うことのつらさを
僕が自覚するその時まで
痛みと引き換えに得るものを知るまで