痛みと引き換えに得るもの
mac

体のどこにも傷が無いのに
キミはいつも痛がっている

早い夕暮れにもココロが痛いとキミは泣く

ふたりでいても寂しいとどこかが痛くてキミは泣く

確かにね
氷の濁りの様に白く白く
いつも何かがキミを刺し続けているけど

血なんて出ないから

キミの痛みは誰も気付かない

少し疲れたね
痩せた毛布に包まりながら

僕らを乗せた船は
決して安らぐ港に辿り着かずに
彷徨うばかりだけど

太陽の光すら
キミは恐れて
どこにも居場所を見つけられないから

少し忘れることで気を紛らせよう
そうすれば少しだけキミの笑顔が見れるんだ

多分楽園でさえキミは傷ついてしまう
柔らかな綿毛もキミを貫く刃物になる
僕の腕がキミを包んでも
それはきっとキミを傷つける

それでもかまわないと
僕がキミを抱き締めれば
世界が変わるだろうか
それともキミを失うのだろうか

しばらく昔話をしよう
禁じられているけれど

そうすれば少しだけキミの笑顔が見れるんだ

失うことのつらさを
僕が自覚するその時まで

痛みと引き換えに得るものを知るまで


自由詩 痛みと引き換えに得るもの Copyright mac 2008-01-03 00:43:32
notebook Home 戻る