黒田人柱

夜の淵の
とおくに浮かぶ一つの雲

煙よりも深い
炎たちがその一生を終えようとしている

知っているだろう
月明かりに照らし出された

燕が巣をつくり
とかげは土で眠る




空が少し青すぎる



海水は
いつか光り輝く


履き潰した靴底に
こびりついたチューイングガム
誰かの唾液!


頭蓋にはブレーキ痕が映し出されて
屍体は焦げつき
花の苗を植えよう

それを見た誰かが秋刀魚のことを思い出している



自由詩Copyright 黒田人柱 2008-01-02 01:24:55
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