シシャノユメ — 死者の夢
狩心

シシャノユメ

オマエ アタマワルイ クワレル サンジゲンノリッポウタイカラ
セッソクドウブツノヨウニ クノジガタニオリマガッタ テアシ トビダシテイル
ヒロガル スキトオッタヒカリノヨウナエキタイ テンニモノボルヨウナ ゲンショノイロ
ペンサキニトマルハネノハエタコンチュウヲ ソノママジメンニオシツケテ スリツブスヨウニ

オマエ アタマガヨスギテ アイシカカタレナクナッタビョウニンノコエガキコエナイ
ハテナボックス タタイタ ニビョウマエニキエタ ピアノノソナタ コソアドノコトバ ジュウジカノケイテキニノセテ
サイレンズ ファミリーカンパニーダ ネオボム ネ・ウォーターボム エアポートニウマレタ サカナタチノゼイキンタイサク
ロクジュウネンマエダ ワスレナイ コトハ ワスレナイ ワスレル コトハ ワスレルヨウニセノビスル ワクチンカラタレタテンテキ

ネオボム ウスイイタノウエニノセタドウゾウ アイロンデユックリトヒキノバシテイク
ウォウォウォノウズ ススムヨウニトブヨウニカタマルヨウニアイブスル ミナミジュウジセイノ オェ
ハダカニナッタトキニ ツメタイトイキガ ウチガワカラゾウショクシテ ヒフガヤケタダレテイク ゲンショノオト
ホウリツガナカッタコロノ シゼンノナカノメグミ ソシテキビシサ シャベルヨリモウゴクヨウニ カンジルヨウニサケブ

ヨコガオヲミテイル オマエノシセンガ モウヒトリノオマエヲ ベツノバショニミチビク
モットトケテシマエ スイヨウエキノナカニ キタイノナカニ ジメンヲコスル ソノネツノナカニ
ユメガカソクスルナラ ゲンカク トモダチニワケタ ヨクボウ ラララトウタイナガラ ワタシハ……
ネ・ウォーターボム ワライゴエガトケテイクハーモニー カオガクズレナガラ チェンジスル スベテノマバタキノナカニ

キコエルカ ミエタ ソプラノカシュノジサツ ミエタ サンジゲンノリッポウタイカラー
ロウゴクノヒッチハイク キャンバスニタラスチガモエテ ウジムシノヨウニ マツリノヨウニ
ジュンパクトシンクヲ コウゴニヌイアゲテイク ウォウォウォノオト オマエガシッテイル ヤスラギ コノハガオチルヨウニ
オマエ シンデイルカ シッテイルカ アイシカカタレナクナッタビョウニンノコエヲ フユノナミキミチデ キイタコトハナイカ

SSS……Dボルト ツウシンケーブルノシャダン アア ヘッドホンノナカデシンデイクノカ オトハネ
コノ デンシノウズデ アアア キコエルカ ニクノナカノメノコエヲスルドク ネムリニミチビクコトガデキルカ
オマエノ ソノヤサシイヤスラギニミチタヨコガオデ マイマザー マイファザー ネ・ウォーターボムガカエッテクル
ヒトリクリスマスノヨル ブッキョウノナカデカタラレタ「ワタシ」 ツキノナカニマダ ウサギガモチツキヲシテイル ゲンカクガミエルカ

ナミダデケショウヲオトシテイクノダ カラダガジメンカラ ウカブヨウニ
イマ ワタシタチガイキテイルコノセカイハ ハカノナカニネムルシシャタチガミテイルユメ
クルマヲハシラセテ シノコクノ カイガイノ サバクヲ キミトイッショニ スイメンノハモンノヨウニ ヒロガロウ
アニマルズ アタマノワルイワタシタチノニクヲ クイツブシテクレ ソシテノウミソノナカニ デンキガナイコトヲ ショウメイシテクレナイカ

なぁ

死者の夢

お前 頭悪い 食われる 三次元の立方体から
節足動物のように 九の字型に折り曲がった 手足 飛び出している
広がる 透き通った光のような液体 天にも昇るような 原初の色
筆先に止まる羽の生えた昆虫を そのまま地面に押し付けて 磨り潰すように

お前 頭が良過ぎて 愛しか語れなくなった病人の声が聞こえない
?ボックス 叩いた 二秒前に消えた ピアノのソナタ こそあどの言葉 十字架の警笛に乗せて
サイレンズ 家族の国だ 新しい爆弾 根・水の爆弾 空港に生まれた 魚達の税金対策
六十年前だ 忘れない 事は 忘れない 忘れる 事は 忘れるように背伸びする ワクチンから垂れた点滴

新しい爆弾 薄い板の上に乗せた銅像 アイロンでゆっくりと引き伸ばしていく
戦争戦争戦争の渦 進むように飛ぶように固まるように愛撫する 南十字星の 嘔吐
裸になった時に 冷たい吐息が 内側から増殖して 皮膚が焼け爛れていく 原初の音
法律がなかった頃の 自然の中の恵 そして厳しさ 喋るよりも動くように 感じるように叫ぶ

横顔を見ている お前の視線が もう一人のお前を 別の場所に導く
もっと溶けてしまえ 水溶液の中に 気体の中に 地面を擦る その熱の中に
夢が加速するなら 幻覚 友達に分けた 欲望 裸裸裸と歌いながら 私は……
根・水の爆弾 笑い声が溶けていくハーモニー 顔が崩れながら 交換する 全ての瞬きの中に

聞こえるか 見えた ソプラノ歌手の自殺 見えた 三次元の立方体カラー
牢獄のヒッチハイク キャンバスに垂らす血が燃えて 蛆虫のように 祭りのように
純白と真紅を 交互に縫い上げていく 戦争戦争戦争の音 お前が知っている 安らぎ 木の葉が落ちるように
お前 死んでいるか 知っているか 愛しか語れなくなった病人の声を 冬の並木道で 聞いた事はないか

攻撃攻撃攻撃……防御の電流 通信ケーブルの遮断 ああ ヘッドホンの中で死んでいくのか 音羽
この 電子の渦で あああ 聞こえるか 肉の中の目の声を鋭く 眠りに導く事ができるか
お前の その優しい安らぎに満ちた横顔で 私の母 私の父 根・水の爆弾が帰ってくる
一人クリスマスの夜 仏教で語られた「私」 月の中に未だ 兎が餅つきをしている 幻覚が見えるか

涙で化粧を落としていくのだ 体が地面から 浮かぶように
今 私達が生きているこの世界は 墓の中に眠る死者達が見ている夢
車を走らせて 死の国の 海外の 砂漠を 君と一緒に 水面の波紋のように 広がろう
動物達よ 頭の悪い私達の肉を 食い潰してくれ そして脳味噌の中に 電気が無い事を 証明してくれないか

ナァ


自由詩 シシャノユメ — 死者の夢 Copyright 狩心 2007-12-29 13:34:05
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狩心 no まとめ 【 四 】