パレード 〜年の瀬の夜〜 
服部 剛

今日もにぎやかな 
職場の仲間は 
跡形も無く姿を消した 
残業の時刻 

静まり返った部屋で 
ぱらぱら 
書類のページめくりつつ 
手にした判子を押してゆく 

頁を捲る手を止めて 
ふと見た一枚の書類に 
押された同僚達の判子は
日付の順に列をなす 

小さい丸枠に刻まれた 
それぞれの名前は 
あちらこちらに傾きながら 
年の初めから 
年の瀬まで 
ひとすじの見えない糸に
結ばれる 

静まり返った 
仕事納めの夜 

一枚の書類の上に 
聞こえてくる  
丸い顔を並べた同僚達の 
賑やかな行進が

ゆく年から
くる年へ 

橋を架ける 








自由詩 パレード 〜年の瀬の夜〜  Copyright 服部 剛 2007-12-28 21:20:19
notebook Home 戻る