八日
蒼木りん
ねえ
人なんか頼っちゃいけない
たぶん
あの人もこの人も
朝になればすり抜けていく
猫みたいなものなんだから
雨みたいに降っている
落葉をいつまでも見ていたよ
いつになったら止むのかなって
その木が
丸裸になるまで
浴びていたいって
こんな所で思っていたって
あの人には
ぜんぜん
かんけーないことなのにね
二十日
そこから二十日が過ぎて
すっかり冬になっていたよ
人なんて
誰にも本心で付き合わないことだと
思ってしまうよ
だって
みんな誰も信じてないんだもの
誰も私を信じてないんだもの
小さな赦せるこころもない
どこかで
ひとりで暮らしたい
流れていきたい
拾って
拾われも
また流れて
どこかで
ひとりで暮らしたい