さよならは永遠(とわ)だから
風音

真夜中
眠らないで
夜汽車の音を聴いてるの
羊が何匹飛んだって構わない

みんなが寝てるのに
ひとり起きてるのって
いい気持ち


あたしは
あたしを探す
どっかに置き忘れた
自分の破片を探しに旅に出る
そんな空想に浸って
勝手な甘い涙を流したりして


愛してるってことば
いつ知ったんだろ
それはきっと
初めて誰かを
愛したあと
遠くて近い過去なのに
思い出せなくて


空を見上げて
透明になった気がした
でも
そんなのは嘘
あたしは
穢れてるのだから
嘘と意地悪や偏見や嫉妬なんかで


オムライスに
ケチャップたっぷりかけて
スプーンを突き立てる
あたしなら平気よ、
って
太陽色のご飯を口にしたら
簡単に涙が出た


ほんとは好きでした
いっぱいいっぱい
好きでした

あなたはそんなの
知らないけれど


あたしはあなたのこと
好きなだけで
幸せだったの
もしかしたらね


仕方ないから
シャワーの飛沫に体を預けて
つぶやいてみる


さよなら


わかってる

さよならは
永遠(とわ)なこと


自由詩 さよならは永遠(とわ)だから Copyright 風音 2007-12-27 20:34:12
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