冬の星 
服部 剛

背の小さい盲目の少女が 
ノッポな友達と腕を組み 
うれしそうに通り過ぎた 

コートのポケットに 
両手を突っ込んだぼくは 
耳に入れたイヤフォンから 
Bump of chickenの 
「プラネタリウム」を聞いていた 

振り返ったまばらな人込みに 
姿を消した盲目な少女はきっと 
誰にも見えない
夜空の星を見るだろう 

歩道には黄色い凸凹道がひとすじ 
2人3脚の面影をのせて 
夜の果てに吸いこまれるように 
何処までも伸びていた 








自由詩 冬の星  Copyright 服部 剛 2007-12-27 00:58:29
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