1/fのゆらぎ
渡 ひろこ
夜をかさねた底で
かすかに聴こえてくるのは
淡くほどける
ひとしずくの
きらめくゆらぎ
一定のリズムを打つ心拍
冷酷に刻まれる一秒
整然とした規則の中で
とぎすまされた直角は
ゆるり とほほえむ
気づかれぬように
ふっとゆるんだ透き間から
とろとろ こぼれ出た
鬱の温度が
藍色から水色に変わる
1/fの小刻みな波は
異なる世界へのつながりか
乾いた着信音のにぎわいで
白日には逃げてしまう
真四角な
理
(
ことわり
)
の
うるんだ想いが知りたくて
今夜もまた
正しい不規則に
耳を澄ます
自由詩
1/fのゆらぎ
Copyright
渡 ひろこ
2007-12-26 20:02:25
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