サンタさんの電話番号
北大路京介
きょーちゃんはクリスマスが大好き
サンタさんからプレゼントが届くからです
クリスマスの朝が 一年で一番嬉しいときでした
きょーちゃんは サンタさんに お手紙を書きました
切手も貼らずに 近所の赤いポストに入れました
きょーちゃんに サンタさんから お手紙がきました
日本の文字ではない文字でした
きょーちゃんには読めない文字でした
きょーちゃんは おとうさんに読んでもらいました
読めない お手紙でも きょーちゃんは大喜び
きょーちゃんは 104で電話番号を教えてもらえることを知りました
いち、れい、よん と ダイヤルを回しました
きょーちゃんは
「 サンタさんの でんわばんごう おしえてください 」
と言いました
電話の向こうの おねーさんは
「 ふざけないでください 」と 怒鳴りました
きょーちゃんは 泣きました
わんわん泣きました
きょーちゃんの泣き声を聞いて おかあさんが心配してやってきました
きょーちゃんは ひっくひっく泣きながら事情を説明しました
おかあさんは きょーちゃんを優しく抱きしめて こう言いました
「 NTTは、日本の電話番号しか知らないから サンタさんの番号は知らないのよ 」