サンタさんの電話番号
北大路京介

きょーちゃんはクリスマスが大好き

サンタさんからプレゼントが届くからです

クリスマスの朝が 一年で一番嬉しいときでした



きょーちゃんは サンタさんに お手紙を書きました

切手も貼らずに 近所の赤いポストに入れました


きょーちゃんに サンタさんから お手紙がきました

日本の文字ではない文字でした

きょーちゃんには読めない文字でした

きょーちゃんは おとうさんに読んでもらいました

読めない お手紙でも きょーちゃんは大喜び



きょーちゃんは 104で電話番号を教えてもらえることを知りました

いち、れい、よん と ダイヤルを回しました

きょーちゃんは

「 サンタさんの でんわばんごう おしえてください 」

と言いました


電話の向こうの おねーさんは

「 ふざけないでください 」と 怒鳴りました


きょーちゃんは 泣きました

わんわん泣きました



きょーちゃんの泣き声を聞いて おかあさんが心配してやってきました

きょーちゃんは ひっくひっく泣きながら事情を説明しました


おかあさんは きょーちゃんを優しく抱きしめて こう言いました

「 NTTは、日本の電話番号しか知らないから サンタさんの番号は知らないのよ 」



自由詩 サンタさんの電話番号 Copyright 北大路京介 2007-12-25 02:21:35
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