12月の夕空に / 検見川浜、夕景賛歌
beebee





      日が暮れる前の12月の空が好きだ。
       藍色が地平から薄くなって行く。
    夜に成るともっと濃くなる色がこの時だけ
       薄くなって行く気がするのだ。
  冷たい空気がキラキラして来てどんどん澄んでいく。
     気が付くと外灯の光りが点々と輝いて、
    暗くなる前から点灯されていたのだと知る。
   冷たい空に電線が何本も走って街路を繋いでいる。
    線路の高架が道路を大きく跨いで街並みを横断し、
      その上をさらに高架線が走っている。
やや真ん中が膨らんだ放物線のそれが幾つも空を区切って走り、
   葉を落とした街路樹が影絵のような枝を拡げている。
   目を降ろすと交差点を行く自動車がライトを点け始め、
 薄く浮かび上がった道路の先に何台ものライトが走って行く。
      まだ午後五時にもなっていないと、
     腕時計で時間を確認して驚いてしまう。
        マンション群を背景にして
      区切られた空が茜色に染まり始めた。
        空は影絵の舞台のようだ。



 


自由詩 12月の夕空に / 検見川浜、夕景賛歌 Copyright beebee 2007-12-24 18:20:16
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散文詩