助走
たもつ
歯ブラシを持って
弟がどこまでも走っていく
小さいころから助走をつけないと
歯磨きのできない子だった
誰よりも美しい
世界で一番の助走だと思った
最近人の目を見て話ができるようになった
弟はわたしの目を見ることなく
失敗したときのような笑顔で言った
自由詩
助走
Copyright
たもつ
2007-12-23 19:02:49
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