夕葉
唐草フウ
(夕火の)
雨がふっている
多分、あの崖に植わっていた木の枝
くすぶっていた赤や黄は
ゆうやけが
いや葉っぱが
お互いを見ながら
しばらくのまどろみを
一日のしめくくりを
見つめあって
哀しがって
おちていくおちていく、おちて/いつか一緒だね/とけていくとけて
おもいでを共有したから
もう疲れない
指先のくもの糸/もう放しておくれ
季節は変わるんだ
雨が落ちてくる
激しくじゃなくひっそりと
そっと、手を離すように
とおん、と
染み入るのは夕陽の色で
自由詩
夕葉
Copyright
唐草フウ
2007-12-20 08:05:25