かくれんぼ 
服部 剛

ましろい壁に伏せた顔を 
100数えて振り向くと 
そこは360°静まり返った 
今日という日の地平だった 

いつのまにか鬼になっていたぼくは 
今から探さなきゃならない 

閉ざされたドア裏の闇にくるまり 
みつかる瞬間をひっそりと待つきみを 

濁った金のドアノブを 
かちゃりと回す 

暗闇に射すひかりとともに 
足を踏み入れるぼく 
しゃがんでいたきみ 

瞳を合わせる 

部屋から飛び出すぼくらは 
360°の地平を走る 

ぼくを追うきみとの間に 
吹き抜ける
言葉無き唄を聞きながら 

地平の先に見える 
あのましろい壁へ走り 
おなじ気持で手を伸ばす
ぼくらはすきとおった 
風のこども 








自由詩 かくれんぼ  Copyright 服部 剛 2007-12-20 04:19:20
notebook Home 戻る  過去 未来